個人的にイチ押し!クリニックに転職したいPT・OTへ!給料とヤリガイの話
理学療法士(PT)と作業療法士(OT)の就職先、転職先として最も多いのがクリニックです。言語聴覚士(ST)の働き口があるのはかなり稀でしょうけども。
私が最初に働き始めたのも正社員3人、パート2人という本当に小さなクリニックで、新規オープンから働き始めました。最初っから新人一人職場っていう無謀な。。。
で、そこを辞めて転職した後も望んでないのにまた一人職場のクリニック(笑)だったので、必然的に管理職のポジションで働くことになりました。
入院施設のあるクリニックで通所リハビリ(デイケア)も併設だったので、外来患者・入院患者・デイ利用者を一人でリハビリするという過酷な環境でしたが、その分スキルアップできた貴重な経験になりました。
その経験があるからこそ、下記のようなに皆さんにしっかりお伝えできる生の情報があるんですよね。
- 介護老人保健施設(老健)の給料や待遇について将来性を語る
- デイケアの仕事のやり甲斐は人と人とのコミュニケーションのみじゃない?
- クリニック求人で転職する場合の注意点(この記事です)
なかなかしんどい労働環境でしたが、その分自分を守るすべというか、いろいろ勉強になった部分もあったので、結果的に良かったと思います。その経験があるので、このサイトの記事もかけるわけですからね。
クリニックに就職・転職した場合の給料は?上げる方法はじっくり探す事
下で説明していますが、クリニックはブラック企業であることも意外に多いのが実情です。
まずはみなさんが気になるお給料について。
クリニック勤務のPT・OTの平均年収は350〜400万くらいが相場です。けども、これもピンキリで下記のような場合は大きく増減します。
- 田舎や都会は給料が高い
- 管理職は給料が大幅に高い傾向がある
- 昇給はあまり期待できない
詳細については、私の給料明細を暴露!PTとOTの平均年収・給料と上げる方法をご覧ください。
毎年の昇給率・昇給額が少ない理由は、医療保険の改定が大きく関わっています。
大きな総合病院も介護保険のデイケアや老健も年々厳しくなっていいくのは間違いありません。しかし、小さなクリニックの場合だと、診療報酬改定で人員配置や施設基準が満たせなくなり、加算が取れない確率が大規模な施設よりも遥かに高くなるからです。
例えば、現在の診療報酬では1人170点取れていたものが、来年から85点になる、というようなことが起こる確率が高くなります。
実際に過去の職場ではこのようなことが起こり、人員をひとり増やして施設基準を上げる規模でもない、人件費を使う余力もないので、その下がった診療報酬を泣く泣く遂行することとなりました。もちろん、その年の昇給はゼロでした。
次に、労働環境です。
現に過去に私が働いていた2つのクリニックは多かれ少なかれ、労働環境も悪かったですからその確率は高くなると思います。あくまで確率ですけど。
1個めのオープンから働いていたクリニックは厚生年金を後々つけてくれるという約束のもと就職したのですが、入った後に「厚生年金をつけるつもりはない。国民年金を自分で払ってくれ。」という院長の以降が揺るがなかったので、半年ほどで退職しました。
ちょっと話が脱線しましたが、昇給する前に辞めてしまったのですが、在職していた事務職、看護師の同僚に話を聞くと、昇給は1000〜2000円だったそうです。
休みにくい環境でしたが、超零細企業だったので一人ひとりの役割を他のスタッフが補填していたので、超少人数でしたが休めました。だから、私はMRIも撮影できますし、ちょっとだけ事務もできました(笑)
2つ目の通所リハを併設した入院施設のあるクリニック(超ブラック企業)ですが、こちらの昇給はその年度によってベースアップに波があって1500〜3000円の昇給で、平均すると2000円昇給額でした。これが理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の昇給の平均だと思います。
もう、お先真っ暗ですよね。
ただ、院長のさじ加減次第ですから、大病院などで勤務していてクリニックを開業する医師に引き抜かれて転職する場合や患者さんを呼べる人、管理職の経験があって経営や管理・指導などができる理学療法士(PT)・作業療法士(OT)は、仕事任せられて安心できるので重宝され、給料はかなり高くなる場合が多いです。
私の後輩は、経験2年目で独立するDrについていく形で、年収300万台から700万円になってました。私の給料の倍近い…(泣)
30歳代や40歳代で転職も可能ですが、管理職経験があったり40歳で新人セラピストだと、やはり管理職クラスと同年代となることが多く、仕事がやりづらいというフタッフが多くなるためクリニックの転職よりは大病院のほうがベターな場合もあります。
クリニックのPT/OTの業務内容と職場環境
- 経営者・医者の質で働きやすさが変わる
- 従業員の数で働きやすさが変わるから多い場所を選べ
- 仕事内容は単純でマンネリ化する
クリニックと言っても千差万別で、近所のおじいちゃんおばあちゃんがこぞって電気治療をしに来るようなところから、若い患者さんが多いスポーツ整形外科なんかもあります。
そうすると、そこで働く理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の仕事内容も替わってきますので、私の経験と友達の話を統合して話をしていきます。
医師である院長は経営にうるさいか?真の医療人か?
院長しかいない医院だったりすると従業員が家族みたいな存在だったりで、とってもアットホームな職場という場合もありますが、そんな昔の体質の所は少ないです。
院長を含めて医師2〜3名程度で回しているクリニックが多いですが、はやり経営者である医師のカラーが色濃く出ます。
お金にうるさい人なら「患者を増やせ、もっと加算取れ!」って直接言われることもあるだろうし、本当に医療人として意識が高いドクターだと患者さんのために・利用者さんのためになんでもして上げなさいという感じで。
あとは、これは総合病院などの大きな病院では当たり前のようにやっている定期的な勉強会ですが、クリニックでは日々の業務が多岐にわたるため少ない、または全くやっていないというところが多いです。
しかし、意識の高い医師が経営しているクリニックでは勉強会や院内発表が行われている傾向が強いです。同級生PT/OTが就職したクリニックは月イチでミニ発表会を行っていましたが、勉強会は自主的に行うもの以外は今までゼロです。
残業代を支払いたくないのと、医師の意識レベルが低い人が多いと思います。
もちろん、クリニック経営者全員じゃないですよ、念の為。
医者の給料って世間で思われているほど高くないし、開業資金の返済のため、特にオープンしたてやあまり年数が経過していないと従業員の給料や経費などに関して神経質な院長が多いですね。
余談ですけども、経営ってそんなに甘くないのでそれ自体は否定しませんが、不法請求も当たり前だったので私は退職しました。
リハビリスタッフが多いか少ないかは有給や休みやすいかに関わる
従業員の数で働きやすさが変わるといいましたが、ここでは理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などのリハビリスタッフの数だけを対象にして話を進めます。
結論から言えば、休みは非常に取りにくい〜取れないことが多いです。
理由はこちら。
リハビリクリニックといった特化型で大勢のセラピストが働いている所を除いて、基本的に地域密着型の小さいクリニックでスタッフが少人数である場合がほとんどです。さらに言えば、常勤よりも女性のパート職員の方が多いというケースが多い。
普通に考えればそうですよね。
理学療法士(PT)や作業療法士(OT)少人数で回していたのに、そこで休まれては加算がつけられるリハビリは完全に止まってしまいますから当然です。
私の場合は1人職場だったので体調不良でも出てこい!っていう業務命令?が日常茶飯事。
勤続j10年間で体調不良で休めたのは1回くらいです。週休ですら消化させてもらえてなかったので、有給休暇の取得も一切ありませんでした。(退職時に全部取得。取れなかったら労基に訴えるとなかば脅してw)
ちなみにインフルエンザでも出てこい!っていう最低な医師でした。感染させるだろうが…
それくらい厳しい職場環境でした。
女性パートさんが多い場合、子育ての真っ最中のPT・OTが多いと思います。
そうなると、幼稚園児や保育園児の体調不良での急な休みや小学校での行事での休みが多くなります。そうなるとそのしわ寄せが正社員に回ってくる構図が完全に出来上がるんですよね...
経営者としては正社員を雇うと、いろいろ会社負担が大きくなります。
そのため、健康保険や雇用保険、クビを切りやすいパート・アルバイトを採用したがるので、非正規職員が多い職場に就職を考えている人も要注意です。
仕事が単純になるのはなぜ?
これは単純明快です。
脳神経外科であれば脳梗塞を筆頭とした中枢性疾患の患者が多く来ますし、スポーツ整形外科であれば靭帯損傷や骨折、高齢者が近隣に多い地域にあると腰痛やOAなどの患者しか来ません。
その結果、リハビリする疾患がほぼ限れられてくるので、仕事自体がマンネリ化するのは必然です。
大病院であれば整形や中枢に限らず、循環器疾患の方もいらっしゃるでしょうけども、町医者に診察に来るような患者さんの年齢・疾患などは同じなるので、リハビリの内容も同じ様になっていくことが多いです。
これがメリットとなるかデメリットとなるかは人それぞれですけどもね。
PT、OTの経験が十二分にある方ならそんな事を考える必要もないと思いますが、仕事を始めて数ヶ月や1年目・2年目の方は、そのへんもよく考えてみてください。
例えば、ボバースを大々的に取り入れている病院では、嫌でもそれをやらざるを得ないみたいなことが起こってきます。これも会社訪問などで聞いてみるといいと思います。
【個人的意見】クリニックのリハビリはやり甲斐があるのも事実
ここからの話は完全に一般的な意見ではなくて、上記の内容と完全に真逆の個人的な意見なんですけども、そんな視点もあるのか…と思っていただけたら嬉しいので記載します。
上ではクリニックのリハビリの仕事は面白くないっていうことを書きましたけども、医療も介護も一通り経験してきて1番やりがいを感じて面白い!と思ったのがクリニックです。
医療としてはゴールを迎えてしまって後は介護保険で頑張ってよという意味でのデイケアのリハビリ。ご家族さんの負担もあるので老健でフォローもする。もっと在宅に適するようにと訪問リハビリも併用する。
慢性期〜超慢性期の高齢者の方のリハビリって限界があって、リスクがない範囲で体を動かしていくことが大事なのかなって思います。反論される方も多いと思いますけど、そこには一生懸命勉強した知識や技術っていうのはあんまり必要ないと私は判断しています。
しかし、クリニックだと高齢の方が多いのも事実ですが、40歳代や50歳代の五十肩や腰痛、上下肢の骨折患者さんがくるわけです。小学生や中学生のケガでも近所のクリニックに来たり。そんな患者さんは悩みが共感できるんです、こんな感じで。
- 車を運転できないと仕事ができない
- 肩が上がらないと料理や選択ができない
- 部活ができない
そのような患者さんの方がやっぱり、生活上で困っていることも申告で一生懸命話も聞いて、リハを受けに来てくれます。もちろん、自分のモチベーションもあがりますし、ああ、リハやってよかったな〜とか、キッチリ説明してよかったなぁって心から思うんですよね。
高齢者の方だとやっぱりご本人さんも諦めている部分も多いし、認識の問題などで積極的アプローチは無理だったり、医学的にどうやっても改善しない要素は大きいんです。
私は業界では特殊?といわれる治療手技を取り入れて、わり即効性のある効果を出せることも多々ありましたし、クリニックに来院される患者さんとのコミュニケーションの方が興味を持てる話が多く楽しかったです。
【今後の将来性】クリニックに転職するメリット・デメリット
まとめるとこのようになります。
- 経営者の質を情報収集して転職する
- リハビリ職員の人数、パートの人数を把握しよう
- 会社にやりがいを求めるのか?待遇を求めるのか?明確にする
安定職意識が強い方は半公務員的にな総合病院がいいでしょう。
若い経験年数が浅い理学療法士(PT)・作業療法士(OT)はクリニックの方がいろんな勉強にはなると思います。急性期病院は基本的にリスク管理をしっかりして、どんどん動かせばいいっていう仕事が多いですからね。
個人的に経験を積むのとそこそこの給料の両方を満たすのは、クリニック以外にデイケアや老健、訪問リハビリを併設している法人グループに転職することをオススメします。よく考えてみてください。
\同じ悩みを持つセラピストだから失敗してほしくありません/
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