PT・OT転職でデイサービスとデイケアどっちがいい?各々のメリット・デメリットを解説します。
経験年数13年を超える中で、グループ内の社会福祉法人のデイサービスでリハビリ・運動を利用者さんに提供していました。
私は管理職をしながらクリニックの外来や入院、デイケアとの兼務していたので、機能訓練指導員でガッツリ働いている方からすると全然経験不足は正直あると思います。
が、医療も介護もほぼ全部経験しているので、就職や転職を悩んでいるセラピストにそれぞれ良い所・悪いをご説明はできると思います。で、ぶっちゃけ話で皆さん気になるところを解説していこうと思います。
理由は後述していますが、近年、小規模なデイサービス(通所介護)も利用者に個別でリハビリやマッサージを行ったりして、満足度を上げて新規利用者の獲得と定着を図る動きが活発になっています。
詳細は下記のデイケア(通所リハビリ)の項目を読んでもらえるとわかりますが、両者ともに差があまりなくなってきているので、その違いを明確にした上で就職活動なり、転職活動をする必要があるでしょう。
もちろん、その会社や法人によって給料体系・昇給率、仕事の内容も違ってくるので、一概には言えませんが、私の経験と先輩や後輩・知人の体験談を統合すると、デイサービスに転職する場合のパターンはこの2つ。
- 大きな法人内で昇給は少なくても安定した会社が良い
- 小さい事業所で不安だけど給料が高い方がいい
どちらを選ぶにしても条件の良い求人には応募が殺到しますし、非公開で人材を探す会社もあるもで、まずは早めに情報収集や会社訪問を行いましょう。
デイケアとデイサービスの違いは?その差がなくなりリハビリ特化型が増えている
数年前まではデイケア(通所リハビリ)はリハビリテーション重視で、デイサービス(通所介護)はおじいちゃんやおばあちゃんが楽しむ場所という感じでした。また、言い方は悪いですが食事や入浴、レクリエーション等などのサービスを提供して、リハビリと言うよりも『預かる場所』という認識がありました。
しかし、2015年と2018年の介護保険改定による介護報酬引き下げとによるデイケア(通所リハビリ)の改悪と、上記で説明したとおりデイサービスがリハビリに力を入れてきたことで両者の差がほとんどなくなってきました。
平成30年度の介護報酬改定では自立支援へ力を入れていて、機能訓練指導員による機能訓練が重要視されています。
そのため、今まで集団でリハビリや運動、時にはレクリエーションを行うだけだった普通のデイサービスが、近隣のデイケアに「お客さんを取られてはなるものか!」という具合で、リハビリに力を入れて個別訓練加算を算定する事業所が急増しています。
3時間〜半日ほどの短時間デイサービスも増えているように、業界があの手この手の戦略を取り始めています。
逆にデイケア(通所リハビリ)は個別リハビリという概念がなくなり、利用料金に包括的にリハビリの料金が組み込まれる形となりました。
そのため、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は20分以上の個別リハビリをしなくても良くなっただけでなく、極端な話、何にもしなくても良くなりました。ビックリですよね。。。
このような理由から両者の差がなくなっているのが現状です。
このことを踏まえて、仕事の内容や会社の安定性を含めて、将来性を見極めていく必要があると思います。
ただ、個人的には、機能訓練指導員はリハビリ職だけでなく、看護師も医療類似行為の国家資格保有者も働くことができるのが大きな特徴で、鍼灸師さんなどの雇用を拡大させていますし、その免許を持っている方にとっては大きなメリットだな〜と思います。
デイサービスの機能訓練指導員として働くのに必要な資格は、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)だけでなく、看護師または准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、要件を満たすはり師・きゅう師のいずれかが必要です。
機能訓練指導員の給料・年収はいくらになるの?休みは取りやすいのか?
- 法人の場合は給料は安い〜普通くらい
- 個人の場合は安いことも多いが高い場合もある
デイサービスの場合、大勢の利用者さんを相手にできる分、少人数のPTやOTを中心として、あん摩・マッサージ指圧師、はり師・きゅう師さんが機能訓練指導員として働いている職場が多いです。看護師さんがやってるのは実際に聞いたことはないのでかなり少数派と思います。
一般的なデイサービスの場合、だいたい日曜日は休みです。
リハビリ職が2人以上いるのであれば、勤務は基本的にシフト制になると思うのでは不定休になる場合が多いです。スタッフの週休希望や都合で、固定の曜日が休みになることもありますね。
ただ、50〜100人規模の利用者起こる大規模なデイサービスでも、理学療法士や作業療法士、あはき師1人で回しているハードな職場もあるようです。この場合は固定の曜日があって、そこはパート、アルバイトの方が代わりに仕事をするか、本院などからその日だけ働きに来る形で、勤務している場合が多いですね。
給料に関しては、これも大きな医療法人か理学療法士や作業療法士が独立・開業した小さなデイサービスによって若干の違いはありますが、基本的にはお給料は安い傾向が少し強いです。
同一の医療法人内、または私の以前の職場のように別で社会福祉法人としてデイサービスを立ち上げているところもあります。
社会福祉法人であればいろいろ規制や開示しなければないものがありますが、税制面では優遇されているので比較的利益は出しやすいでしょう。
また逆に、正規職員が数名で後はパートがアルバイトでまかなっている小さなデイサービスの場合、さらにお給料が出しにくい傾向が強くなります。
それは小規模ゆえに大勢の利用者を抱え込めない分、利益を出しにくくなってきます。さらにそこに給料を上げることも困難で、人件費にそこまでかけられないと経営者判断している場合が多いからです。
ただし、こちらの場合一人ひとりの力がリハビリや介護、経営力に直結するので、経験年数が長いセラピストや管理職経験がある人材、経営まで管理できる人間などは給料が大幅に跳ね上がる可能性があります。
知人は経験3年目で年収600万貰っていました。わりと多いほうでしょう。
もちろん、その分忙しさや責任感の重みは増しますので、ここにやりがいを見出せるのか?忙しくてもお給料が高ければいいのかと言うのはあなたの価値観次第ですね。
経験5年目くらい〜、30歳代・40歳代で給料重視で管理職候補ではいるのが吉。
デイサービスの機能訓練指導員の業務内容と職場環境はどんな感じ?
理学療法士や作業療法士が独立・開業を試みるのが、このデイサービスです。友達も4〜5人、立ち上げているのでかなりの激戦ジャンルかと思います。
そのため医療法人などが運営しているデイサービスを除けば、かなり小規模の事業所であることがほとんどです。この大きいか小さいかでその色や待遇が大きく異なってくるので、この両者について書いていきます。
大型デイサービスとなると個別でリハビリすることもありますが、大多数は集団リハビリと言った形で機能訓練をするのが主な仕事です。
それ以外にはかなりの数の書類業務があるのが実状で、もし1人で回している職場ですとその書類を日々仕上げるのもかなりきついと思います。デイケアのリハビリテーションマネジメント加算Uを取っている施設並に書類や会議が面倒です。
また、デイケアの項目でも言いましたが「身体機能を上げる!」ということに仕事のモチベーションをあまり感じないPT・OTや、みんなと一緒に体操やおしゃべりをしたり、レクリエーションをしたりする方が自分に合っていると言う方には最適だと思います。
一方、小規模型のデイサービスだと、10〜15人程度の利用者を相手にするので個別リハビリとしての関わりを持つ機会も多くなると思います。もちろん集団のリハビリプログラムを考えたり、介護職員に指示をして代わりに仕事をしてもらうと言ったことも重要な業務になってきます。
基本的には医療知識があまりない職員が多くなるので、頼られることが多くなります。
このような勤務の忙しさや給料体系は、以前の記事のクリニック等と同じで運営母体によるところが大きいのです。
【将来性】今後はデイケアとデイサービスは伸びる?
- 安定志向なら母体が大きい法人のデイサービス
- 色んなことにチャレンジしたいなら小規模デイサービス
- 人との関わりが強いほうが良い、給料を上げたいなら個人経営のデイがオススメ
同一法人内にデイサービスがある場合は、別部門のデイケアや病院勤務と区別なく、基本的には給料は他の職員と同じでしょう。
多少の人事評価なので昇給率が良かったり悪かったりはあると思いますが、こちらの場合、法人としての経営が安定していればまずクビを切られる事はなかなかないとは思うので安定しています。精神的にも安心ですよね。
しかし、厳しくなっていくのは事実なのでのほほんとしてはおらずやはり経営的な観点を持ち続けていくことが重要です。医療職って経営的な視点がゼロなんですよね、これホントダメです。
小さなデイサービスの場合は、上で説明した通り一人ひとりの仕事の役割の重要度が大きいので、責任がある立場になることが多いです。小さい事業所であるがゆえに、介護職員等の他の職員だけでなく、利用者との距離が短く人と人とのつながりが太く、頼られることが多くなります。
『人との関わりが好き・コミュニケーションを重視したい】というリハビリ職にはおすすめです。
これを嫌だと思うのか?やりがいがある、モチベーションが上がると捉えるのかは人それぞれですが、小さな個人事業主としてのデイサービスから株式会社、法人化へと進んでいけば小さなところからいたあなたは必然的に管理職になって、給料も大幅にアップすることが考えられますので夢がありますよね。
私の場合、リハビリの仕事よりも、部署の管理・運営の方が楽しくてやり甲斐があったのが正確にあっていたのが幸いでした。皆さんも自分にあった職場を探しましょう。
\同じ悩みを持つセラピストだから失敗してほしくありません/
関連ページ
- 【まとめ記事】PTとOTのための転職先選び
- PT、OT、STの求人サイトの特徴を詳しく解説していきます
- ブラック病院注意!初めてハローワーク(職安)求人を探す・応募する時の注意点と転職成功のコツ
- PT、OT、STの求人サイトの特徴を詳しく解説していきます
- クリニックに転職したいPT・OTへ忠告!給料や休みの待遇と将来性
- クリニックの求人募集に応募する場合のメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。
- 老健に転職するメリットは女性以外にない!給料安いし昇給期待できないから!
- 介護老人保健施設の求人募集に応募する場合のメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。
- デイケア(通所リハビリ)は給料激安? But!人と関わるコミュニケーション大好きな人にはオススメな理由もある!
- デイケア(通所リハビリ)の求人募集に応募する場合のメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。
- 【PT・OT求人】急性期病院・総合病院の転職にやり甲斐はない?魅力は給料・年収じゃなくて手当だよ!
- 総合病院などの大病院の求人募集に応募する場合のメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。
- 訪問リハビリがキツイと思う私が就職・転職を考えている人に伝えたいこと
- 訪問リハビリで働くメリット・デメリットなどを、現役PTが詳しく解説しています。
- 市立・県立公務員PT&OTの給料、試験内容、年齢制限まで網羅!(独立行政法人・地域医療振興協会なども含む)
- 公務員の求人募集に応募する場合のメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。