老健に転職するメリットは女性以外にない!理由は給料安いし昇給期待できないから!
前職場と現在を合わせると老健勤続13年以上となって管理職・採用担当の経験のある管理人の雅治(@ツイッター)から、これから仕事を探すセラピスト向けてその待遇から将来性までぶっちゃけます。
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)で介護老人保健施設に就職や転職を考えるリハビリテーション職種の方も多いでしょう。
多い理由は、下記のクリニックの記事と理由は同じで、介護保険関連の施設は利益が多かったので、医療法人などがこぞって老健を建てたことで数が増えたのが理由です。
- クリニックに転職したいPT・OTへ忠告したいこと
- デイケアの仕事のやり甲斐は人と人とのコミュニケーションのみじゃない?
- 介護老人保健施設(老健)の仕事と将来性(この記事です)
皆さんご存知のとおり、養成所の乱立によってPT・OT免許保有者の増加に加えて働き口が増えたことで需要と供給のバランスが崩れ、給料も安いままの上に昇給もほぼなしというのが不安と思います。
現状を打破したい!家族のために少しでも給料を上げたい!時間的・経済的に安心した生活を送りたい!という方のために、老健の求人だけでなくPT・OTの仕事探しを詳しくお伝えしていきます。
老健で働いてみて、給料は上がらず下がり続けると予想しています
- 40歳台、経験10年超えても手取り20万円以下
- 介護保険は国を挙げての大失敗
私が免許を取った15年ほど前老健の理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の給料は、まだ人数が急激に増える入り口くらいだったので、新卒新人セラピストでも手取りで20万円後半〜30万円代というのもザラにありました。
その後は皆さんご存知通り給料が下がり続け、10万円後半が相場になってきているでしょう。経験年数10年以上、30歳代や40歳代でも基本給が20万円にならない程度が当たり前になっています。
これだけ経験のある『現役PTの私の給料明細を暴露!年収・給料を上げる方法』でも書いていますが、私でも基本給20万ちょっと。資格手当や住宅手当、残業を含めても手取りで21〜22万円という格安ディスカウントショップ。
せっかく高い学費を払って一生懸命勉強して国家資格取って、勉強会や協会に兼ね払っても、そのへんの工場勤務の人より安いやん、納得いかないって、当たり前だと思います。
けども、悲しいけどもそれが現実です。
個人的には介護保険は国家一大失敗の一つと思っているので、将来的に給料は上がらないと思います。リハビリ職だけじゃなく介護福祉士もね。
例えばですよ。定価が1万円くらいの福祉用具のレンタルが自己負担で数百円程度です。
それを業者はもっと安い数千円、5000円としましょう。それを利用者負担1割の1000円で貸し出して数ヶ月でもとが取れる仕組みで、その負担は国民(特に若い人)から巻き上げてるんだもん、そりゃ〜将来的に厳しいのは当たり前です。
裏を返せば福祉用具レンタル販売事業者に転職するのもありな気がしてきた。免許持ってたら重宝されるし。
日本のお荷物制度でありますが、破綻させたくてもここまで大規模にやって日本全国にたくさんある老健を潰すことなんて、もうできません。後には引けないんですよ。(もちろん、デイケア、デイサービスなども)
介護報酬改定も年々厳しくなるどころか、間違いなく経営が成り立たなくなるほど点数引き下げが起こってきます。つまり、介護老人保健施設の給料は安い・上がらないということになります。
女性にオススメ!介護老人保健施設(老健)の職場環境と休みについて
利用者さんのリハビリをするのは当たり前ですが、正直な話、リハビリとしてのやりがいはあまりありません。ちょっとパンチが少ない言い方をしましたが、ハッキリ言うと全くありません。
これは病院やクリニック、訪問リハビリなどを一通り経験した上でないとあまり比較できないので、未経験の方にはイメージしにくいかもしれませんが。
やりがいや仕事の目的を持てるのか?
老健入所者は大きく分けてこの2つの種類に分類されます。
- 自宅生活が難しいのでリハビリして在宅復帰する・したい
- 自宅では生活できない、家族が世話をしたくなくて帰れない
急性期や回復期で入院していて、早期退院を迫られて家ではまだ以前と同じ生活ができないと入所されているパターンがあります。国は入院での医療費圧迫の受け皿として介護保険を始めたので、これが本来の目的です。
が!
この老健本来の目的をまっとうしている施設はあまりありません。ほとんどないといっていいでしょう。
3ヶ月スパンで在宅に帰るというのを国は進めているので、3ヶ月をすぎると加算も取れなくなって、施設としては収入が下がるので帰ってほしいのが本音です。
しかし、おじいちゃんおばあちゃんが手間のかかる状態で退院してきても、家族としては世話ができないために高確率で拒否・拒絶します。
デイケアやデイサービスでのフォローを含めて、相談員がここできっちり帰宅させることができればいいんですが、相手はお客さんなので強く言って無理やり返すことができません。
その結果、加算が取れない手間のかかる高齢者が老健に残るということになります。
医療法人で老健以外に病院がある場合、グループ内で「入院させる?入所させる?入院させる?入所させる」過程を繰り返し、在宅復帰不可能な高齢者が増えるパターンが非常に多いです。
こちらも厚労省の方はさせないような施策をとっていますが、抜け道はどれだけでもあるので、実際の所、超慢性期の高齢利用者が病院や老健に溢れかえってるのが現状です。
つまり、改善の余地がほとんどない方のリハビリを長期にわたって行うのが仕事になります。
「在宅復帰させる!それがこの仕事のやりがいや使命だ!」と意気込んでいる理学療法士(PT)と作業療法士(OT)の皆さん。身体的に良くなっているのは、大部分があなたの知識や技術は関係ありませんからね、錯覚しないようしましょう。
(※これに対して特に記事にするつもりはありませんが、アホなこと言ってんなよバカっていうコメントとかが付いたら記事にしてみようかなぁ)
休みの多さ・有給休暇とりやすさや仕事のきつさはどうですか?
これは老健の規模、というよりもスタッフの人数次第で大きく左右されます。当たり前ですけど。
現在の職場はリハビリに非常に力を入れていることを売りにしている施設ですので、リハスタッフの人数は入所者定員100人に対してスタッフ10名ほどいて非常に多くて、余裕を持っています。しかも、小さなお子さんがいる女性がたくさんいてね。
ですから、子供の熱やら行事ごとで頻繁に休んでも業務自体は回せるんですよね。
男性スタッフからすると、そのしわ寄せが来るだけなので忙しくなります。
逆に、以前の職場はクリニックで外来リハビリをしながら1人で老健のリハ業務をこなしていたので、多忙すぎました。多いときで1日40人弱…。たぶん、こんなに見てるセラピストは全国さがしてもそんなにいないでしょう。。。
それくらい激務で週休も全部取れず有給取得は10年勤務してほぼゼロでした。
私が働いていた老健以外にも、定員60人の老健で別のPTが勤務していましたが、その人数を1人でこなせていました。
転職先としての介護老人保健施設(老健)波動?現役PTの考察まとめ
- 中高年の転職はまだいい。若くて定年まで働くというのは昇給が望めないので勧めない
- 人数が多ければ働きやすい労働環境
- スタッフが多い老健は特に女性にはオススメ
- 提示で帰りたいプライベート重視の方に
介護報酬自体がかなり下がりきっているので現状の相場の給料・年収でなら構いませんが、10年後・20年後の将来を考えると、介護老人保健施設の求人で転職するにはなかなか厳しいと思います。
ですから、介護保険関連ではなく医療保険下の転職をおすすめします。
説明したとおり、女性PT・OTが多いこと持って、家事や子供のお迎えで定時帰りできる事業所が多いです。また、積極的なリハビリを行わない傾向があるので、リハビリ職として本当はダメなんですが、勉強したくないプライベート重視の方は老健をおすすめします。
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